
近江扇子
滋賀県の伝統工芸というとすぐ思いつくのが、たぬきの焼き物で有名な信楽焼。この日本六大古窯の一つに数えられる信楽焼をご紹介しようと思っていたが、昨年5月信楽陶苑たぬき村をURARAでも取り上げていたのを思い出して今回は別のものをご紹介する…。

扇骨の天日干し
扇骨(センコツ)というのをご存知だろうか? 扇骨とは、扇子の土台となる骨の部分のことで、主に京都を中心に全国の扇子店に出荷されており、京都で仕上げられたものを「京扇子」と呼んでいる。その扇骨の国内生産約9割を占めているのが、滋賀県高島市の伝統工芸である高島扇骨。その歴史は300年以上。はんらんを繰り返す高島市を流れる安曇川の堤防強化のために植えられていた竹を利用して農家が作り始めたのが始まりとされている。
扇骨製造の工程は、用途別の長さに竹を切る作業で始まる。出荷まで、扇子両側の親骨が18工程、内側の仲骨が16工程の計34工程にもわたり、作業は分業制でそれぞれの工程を別の職人が手作業で作り上げる。どの工程も繊細な技が必要とされるそれこそ、“匠”の手仕事なのだ。
ところで、話は変わるが、百貨店高島屋の屋号の由来はご存知だろうか。
実は、京都の烏丸松原上ルで米穀商を創業した飯田儀兵衛が、今回ご紹介した国内扇骨生産9割の高島市出身だったことが由来だそうだ。米穀商「高島屋」として創業後、高島屋は1831(天保2)年に木綿商として基盤を固め、現在の姿である大手百貨店へと発展してきた。

京扇子
その高島屋が、今年創業180年を迎えている。そこで、周年記念として創業者の出身地である高島市の工芸品や特産品を販売する巡回展を全国の高島屋で開催するそうだ。この巡回展では、今回ご紹介した扇骨生産シェアの9割を占める扇子や、高島の綿織物、筆、和ろうそくなども販売。東京の新宿店を皮切りに、東京店、横浜店、大阪店、ジェイアール名古屋タカシマヤ、京都店で順次開催※する。
扇子の美しさを支える職人の手仕事に思いを馳せつつ、匠の技によって紡ぎ出されたその作品を見てみよう。その伝統工芸品の数々に滋賀県高島市が技を見つけることができるはずだ。
※東日本大震災の影響から、中止、延期など変更がある可能性があります。詳細は高島屋各店までお問い合わせ下さい。







