
映画「武士の家計簿」の中で使われたそろばんが、播州そろばんだって知ってました?
幼いころに物入れで見つけた、祖母のそろばん。なぜか気に入って、よく引っぱり出して遊んでいた記憶があります。振ったときのカチャカチャという音が小気味よくて、おもちゃの車のように床の上を転がしてみたり、すべり台をすべらせてみたり。…ええ、わかってます、間違った使い方ですよね。当時はそろばんの正しい使い方なんて知りませんでしたが、それでもあの独特のカタチや玉をはじいたときの軽快な音が、こども心におもしろかったのだと思います。
私が育ったまちのお隣は、「播州そろばん」の産地である兵庫県小野市。400年ほどの歴史があるといわれる播州そろばんの製造工程は、職人たちの手作業による分業制。原木から玉を削る「玉削り」、玉に化粧をする「玉仕上げ」、玉をつなぐ軸の部分を作る「桁(けた)づくり」、とそれぞれの工程に“その道のプロ”がいます。それらのパーツは「組立」職人の手にわたり、木造りから穴あけ、玉入れなどの多くの作業を経て完成に至ります。100近くあるという作業工程にはひとつひとつ独自の名称があり、その集大成として播州そろばんができあがるのです。1976年には、これらの高度な技術が認められて伝統工芸品に認定されました。

小野市役所の近くにある、巨大そろばんモニュメント
そんな小野市でいちばんの歴史を誇るのが、明治42年から製造卸業を営んできた「ダイイチ」(47CLUB名「そろばん屋2号」 そろばんの良さを伝え、歴史ある播州そろばんを絶やさないようにと、斬新なアイデアでオリジナル商品を次々に生み出しています。たとえば、車のカタチをした知育木具(ちいくもくぐ)、その名も「けいさんできるんカー」。一見するとふつうの木のおもちゃですが、裏返してみると車体の底部分に計数器がついているんです。20年前にこんな商品に出会っていたら、私もそろばんの使い方を間違えなかったかもしれません(笑)。

木のぬくもりが手になじむ、知育木具「けいさんできるんカー」
ほかにも、そろばん作りの技術を生かした健康器具や知育ゲームなどユニークな商品がたくさんあるのですが、なかでも同社の宮永英孝社長のいちおしは「合格お守りそろばんストラップ」。地元の小野高校の生徒、先生と共同で開発したこの商品は、5か9、つまり“合格”しか出ないお守りなんです。ここ一番の運が欲しい人には「10か9」しかでないお守りそろばんも。こちらはもちろん、“当確”です。
職人ならではの視点で、伝統ある産業のさらなる発展を模索する宮永社長。ユニークな商品たちは、伝統産業の職人たちの仕事を守ることにもつながっています。アイデアあふれる商品の数々は、47CLUB・そろばん屋2号でチェック!
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