
赤塚植物園
板橋区立赤塚植物園は、東武東上線「成増」駅から歩いて16、7分ほどのところにあります。入ってみると、とても「見せ上手」な植物園だとわかります。
草花と樹木のまとまりがよく見やすいレイアウトなので、ユルユル歩きながら楽しむのに向いています。また、いい香りのする花木を並べた場所があったり、元々この一帯にあった「武蔵野の木」を集めてあったりして入園者が植物を知るために役立つ、そんな気配りも行き届いています。
赤塚は元々丘陵地だったそうで、その丘の傾斜をそのまま利用した日射しがたっぷりの植物園です。樹木・草花・山野草が600種ほど植えられています。

万葉の歌人は、この木をこんな風に歌ったんだと、しばしたたずむ。
「春先は、まず黄色い花が多く咲きます。それからピンクの花をつけるものが増えます」と植物園の人が教えてくれました。そのピンクのあとは新緑の季節が訪れ、そしてあじさいなど紫色の花、さらに夏が来れば原色の花と、移っていきます。
園内の丘を登り切ると芝生の広場があって、その向こうに「万葉・薬用園」があります。薬用はすぐにわかりますが、万葉というのは「万葉集」に歌われている植物のことです。万葉集には約160種の植物が詠まれていて、その中で今もよく見られる花や木が植えられています。ありがたいことに、植物の側には万葉集に載っている歌を紹介した表示板があって、どういう歌にその花や木が詠まれているかがわかります。当時と今とでは植物の呼び名が違っていて、確定されていないものもあるそうです。植物に関した本が自由に閲覧できる図書室もあるユニークな植物園です。
2月中旬に訪ねたときは、ヤブツバキが咲き、水仙がたくさん花開き、福寿草が咲きかけていました。「3月になれば、花盛りですよ」と園の人が言っています。日増しに暖かさを増す春の日射しの中、ぜひ花の散歩にお出かけください。
木製のベンチが日を浴びてほんのり温かく、うとうとしてしまいそうになるおすすめの植物園です。
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