
地元で愛され続ける郷土料理
「うまいもんだよカボチャのほうとう」-。山梨に住む人(転勤などで住んだことのある人も)で、このフレーズを耳にしたことがないということはありえないでしょう(と勝手に思うんですが)。それほど「ほうとう」は山梨県民とは切っても切れない、言ってみればビールと枝豆のような、身近な存在なのであります。(ちなみに、カボチャは定番ではありますが、絶対不可欠というようなものではありません。ほうとうは包容力に満ちた食べ物ですので。念のため)。
木枯らしの吹く寒い日。仕事を終え、疲れ果てて我が家にたどりついた企業戦士を待っている暖かい湯気の上がった「ほうとう」。この「ほうとう」に勇気付けられ、明日の活力を復活させたサラリーマンの話は枚挙に暇がありません(どんだけ~?って感じですが)。しかも、「ほうとう」をつまみながら日本酒の杯を傾けるのが「通」なんです。「ほうとう」があればツマミは要らない。そーすると、ですよ、晩酌が終わった時には食事も終わっている-ということなんですね。
しかも、具の野菜は大抵のものはOK(さすがにキュウリはミスマッチだと思いますが)、これが先述した包容力なんですねぇ。さらに、野菜のみならず、肉(私は豚肉をお薦めします)がたっぷりだから子どもたちの栄養面も万全!「ほうとう」は世界中の奥さんたちの救世主と言っても過言ではない!と声を大にして言いたいと思います(過言かなぁ、やっぱり…)。
さらに、ですよ。「ほうとう」が本当においしいのは翌朝なんですねぇ、これが。今の時代に朝から冷たくなったご飯が食膳の載ることはまずないでしょうが、40数年前、筆者がいたいけな幼児であった時代には、冷やご飯に熱々の「ほうとう」を載せて食べるのがどこの家庭でも一般的だったように記憶しています(よそのお宅で食べたことはありませんので断言はしかねますが)。しかも、これは逆もまた「あり」なんです。つまり、炊きたてご飯に冷たいほうとうも、これまた絶品なんです。ここが「ほうとう」のすごいところなんですよね。
山梨県内には「ほうとう」をウリにしている食堂は数多くありますが、基本的には地元の人は店でたべることは稀です。ほうとうは、あくまで家庭食なんです。ですからレシピも家庭によって千差万別のはずです。要するに「お好みの具材を麺と一緒に煮込んでしまえば、それが「我が家のほうとう」なんだと思います(このユルさもいいじゃないですかねぇ)。
さて、能書きはこれくらいにして本題に入ります。(前置きが長くて済みません。ここからが本日のテーマです)。本来ですと、ほうとうはソバをうつのと同様に「のし棒」で時間をかけて念入りに延ばした麺を使うのですが、最近はスーパーなどに、なかなか良い麺が並んでいるので、これを買うのが主流のようです。時間のある方は是非、麺をこねるところから挑戦していただきたいと思います(この時間が至福のひととき-という人も多いんですよね)。
以下、レシピをご紹介しますが、何と言っても、あの武田信玄の時代から今に伝わっているのですから、山梨県を代表する一品であることだけは間違いないと、これは断言しておきます。全国各地には「みみ」とか言って似たような食べ物があるようですが、関東近県に多いところからも信玄が領土拡大に伴って広めたものではないのでしょうか?と勝手に推量する次第です。
以下、小田切家のレシピ…
1. 地粉に適度の水を少しずつ足しながら混ぜる
2. 生地を耳たぶの硬さくらいに練りあげる
3. のし棒で厚さ3mm程度にのばす
4. 折りたたみ1cm程度の麺状に切り分ける(麺同士が付かないように打ち粉をしてほぐしておく)
5. 沸いた湯に季節の野菜と粉の付いたままの面を入れお好みの硬さまで茹でる
6. 最後に自家製味噌(手まえ味噌)を入れて少々煮込んで出来上がり
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