
煮込むほどにとろっとろに豆腐がとける温泉湯豆腐
とろっとろという表現がぴったりくる白濁のスープ。れんげですくい、口に運ぶと、たちまちとろりと溶ける豆腐。湯気が上がる土鍋にまたれんげが伸びる。だんだん溶けて、豆腐が豆乳に変わっていく。不思議だ。鍋に入っているのはただのお湯じゃない。温泉水だからだ。豆乳の中のタンパク質をニガリを加えて固めて出来上がる豆腐を弱アルカリ泉の嬉野温泉水で煮ると溶け始めるのに目をつけて、売り出したのが温泉湯豆腐だった。

具材はお好みで。お茶のティーバッグを入れる「温泉茶豆腐」も登場。
嬉野温泉を代表する名産品に挙げられるようになったが、始まりは地元の豆腐屋に生まれ育った料理人小野原勝雄さん。佐賀市や博多の料亭で修行し、ふるさとに帰って開いた大衆食堂の名物にと考案したのがきっかけ。しかし、ブレイクするのを見届けることなく40代で他界。小野原さんの後を継いだ長男博さんが人気漫画「美味しんぼ」の原作者雁屋哲さんに引き合わされたことから思わぬ展開に。92年に取材で佐賀を訪れた雁屋さんに温泉湯豆腐を振る舞った。1カ月後、連載中だった漫画雑誌に掲載され、単行本にも収録。予想を遥かに超える反響を呼んだ。
今では豆腐店、旅館などそれぞれ趣向を凝らして温泉湯豆腐を売り出し、嬉野名物として一躍全国区になった。シンプルに温泉豆腐を楽しむのもいいが、その後、溶け出した白濁スープで豆乳鍋でもいける。たれは普通の湯豆腐ならポン酢が定番だが、温泉湯豆腐にはやっぱりごまだれ。茶どころ嬉野を生かしてティーバッグでお茶をいれて味わう「温泉湯豆腐」は、47CLUBに出店している同市の和楽園「わら倶楽部」のオリジナル商品。シンプルな鍋だけにいろんなバリエーションを試すことができる。
美人の湯嬉野温泉の温泉湯豆腐。とろけるおいしさをぜひ。
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