
若草鍋
奈良公園の中にひっそりとたたずむ数奇屋風の建物が、明治40年に創業して以来、多くの文人たちが訪れ、逗留している料理旅館「江戸三」。そしてここでしか味わえない奈良の名物鍋が、奈良市高畑に居を構えていた志賀直哉が名付けたことでも知られる「若草鍋」です。
4代目社長の大和隆さんによると、昭和の初めごろ、志賀直哉は文人たちによく会席料理を振る舞っていたそうです。そんな中で会席料理の残り物で何かできないかという話になり、生まれたのがこの「若草鍋」。ホウレンソウを土台に、こんもり盛り付けられた様子を、新緑の若草山にたとえられたとのことです。
カツオとコンブが基本のだしは、濁らず底まで透けて見えるのが特徴。途中で足すだしも最初のだしとは濃さを変えて調節し、最後の雑炊まであっさりした状態に保っています。また具材を下ごしらえの段階で味付けし、独自の風味に。土鍋や炭も特別注文して火力も調整し、同館でしか味わえない鍋料理となっています。
過去の文人も味わった料理を、鹿も立ち寄る数奇屋風の離れでいただくという風情も、一興かもしれません。
◆「若草鍋」(10月〜3月)1人8400円/10500円(サービス料別)
※2人以上で要予約
営業(食事のみ)
11時30分~14時30分・17時~21時
定休日 なし
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