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焼酎界の看板娘は庶民派「美人」

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「さつま島美人」のボトルと伝統的な酒器「黒ヂョカ」

鹿児島といえば焼酎である。県内各地に散在する大小100を超える蔵元から2000銘柄以上が出されており、それぞれ地元の人たちを中心に愛飲されている。そんななかから、「看板娘」を選んでみた。

焼酎は本来「安い、うまい」が身上の庶民の酒。鹿児島市の繁華街・天文館をはじめほとんどの飲食店に置いてあり、つい頼んでしまう日常酒、そのうえ「美人」。私は独断と偏見で「さつま島美人」(長島研醸)を推薦したい。

つけ揚げと酢味噌でいただくキビナゴの刺し身

「島美人」は鹿児島県の北西部、今話題の阿久根市の先にある長島で、昭和42年に誕生した。長島には5つの小さな蔵元があり、それぞれ伝統の技術で個性豊かな焼酎を造っていた。鹿児島県本土と黒之瀬戸大橋(同49年完成)で結ばれるのを機に共同の瓶詰め工場・長島研醸を設立、ブレンド焼酎「さつま島美人」が生まれた。同社によると、今でも設立当時のブレンド比率を守り続けている。出荷量の6割が県内各地、3割が九州だという。

さあ、この看板娘をお湯割りで味わってみよう。焼酎6・水4で前割りしておいたものを黒ヂョカに移し、湯せんで45度程度のぬる燗に。猪口に口をつけると、芋の香りが鼻に抜け、癖のない甘みが口の中に広がる。肴は手開きしたキビナゴの刺し身とつけ揚げ(さつま揚げ)。あぁ、至福のひと時。「鹿児島に生まれてよかった」としみじみ感じるのであった。