
蔵元屋
松山や秋より高き天守閣。俳人正岡子規の俳句にも登場する季語、秋。「秋空がアキラカ(清明)である」また「草木の葉のアカ(紅)クなる」「収穫がア(飽)キ満チル」意から秋となった(広辞苑)。
「秋上がり」は稲刈りや取り入れの終わることを意味する。初冬から早春にかけて醸し出された寒仕込みの新酒もまた「秋あがり」という。まろやかな口当たりと柔らかで切れ味の良い芳純なうまみが特徴。金木犀が香るころ店頭に並ぶ。
日本初の騎兵建設を行い「日本騎兵の父」と称される秋山好古は無類の酒好き。一つの茶碗しか持たず酒を注ぐとぐっと飲み干す。「若い頃には何をしようかということであり、老いては何をしたかということである」から「茶碗は一つでいい」らしい。
今秋放送されるNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』第2部を前に、酒好きであった秋山好古のふるさと愛媛の日本酒の紹介をさせていただく。

秋山兄弟生誕地
まずはお米の話から。消費低迷が続く地酒復権にと独自の酒米として開発した「しずく媛」。「しずく媛」の開発は、愛媛県農林水産研究所が1999年に着手し、2006年、栽培に成功した。現在も広く県内で普及している準酒造好適米「松山三井」を改良し大粒化。米を削りこんで雑味を取り除く作業がしやすくなった。吟醸酒や純米酒など、高級酒の原料に適したお米の出来上がり。
次に商品化のお話。「しずく媛」の誕生を受けて、県内4蔵元が試験醸造に協力。愛媛県が独自に開発した日本酒醸造用酵母「EK-1」などを使用して純米吟醸と純米大吟醸を造った。2007年5月に披露。愛媛特産で、愛媛の食文化に合う日本酒ができた。愛媛県酒造組合は、2009年春の一般販売を目指し、統一ブランド酒「しずく媛」が誕生した。
ここからはお店のお話。2009年4月1日に発売開始となった統一ブランド酒「しずく媛」は、現在22蔵元で造られいる。すべての蔵元の「しずく媛」が揃うお店が愛媛県酒造組合直営のアンテナショップ「蔵元屋」。製法は各蔵元によって違うため、それぞれの個性を楽しむことが出来る。ただし、茶碗は持ち込み不可。
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