
竹林の中にたたずむ日置市森林体験交流センター「美山陶遊館」
ちょっと都会の喧騒を離れ、心静めてみたいと思った。たまにはパソコンの前を離れて、アナログな世界に身を置いてみよう。キーボードを叩く指を、子供の頃のように土に触れさせてやろう。ふと、陶芸をやってみようと、薩摩焼発祥の地・日置市東市来町美山にある同市森林体験交流センター「美山陶遊館」を訪れた。

ぬらした表面に指でろくろ目をつけて、ほぼ完成
作り方の説明を受けた後、1キロの粘土の塊を渡された。これで2個の作品が作れるという。チョコレート色をした粘土は意外に軟らかい。指でもむと簡単に形を変える。「こいつをどんな形に仕上げてやろう」。ちょっと考えて、大きめのコップを作ることにした。
手ろくろと呼ばれる回転式の作業台の上に、ピンポン玉の大きさの粘土を円形につぶして器の底にする。人差し指くらいの太さのひもを3本ほど作り、底とする粘土の上に巻くように積み重ねて器の形に作っていく。焼くと85%に縮むというから、心もち大きめに。
難しいのはここから。段々になった器の壁をならして継ぎ目を消した後、両手の指で薄く延ばしていく。親指を内側にして壁を挟み込むようにつまみ、両手を寄せるように動かして上へ、上へと伸ばしていく。出来上がりの形をイメージしながら、薄く、薄く。気を抜くと外側に広がってしまうから集中力が必要だ。出来上がったら、上辺に弓を当てて切り取って高さをそろえ、ぬらした表面に指でろくろ目をつけて仕上げる。「おう、なかなかよい出来ではないか」。泥だらけの手とは裏腹に、心が洗われたようなすがすがしい達成感。

完成した“作品”は焼酎用ロックグラス
作品はこの後1週間乾燥させた後に素焼き、さらにうわぐすりをつけて本焼き(1240度で14時間!)して完成となる。約1カ月後に送られてくる“作品”を想像しながら、どの焼酎を飲もうかと、ニヤニヤしている。おっと修行が足りませんな。
※陶芸体験はろくろ1995円(45分)、手びねり1470円(2時間)。いずれも予約が必要。
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