
段々畑でソバを栽培
群馬県の西部、稲含山ろくに位置する甘楽町秋畑の那須地区は百戸ほどの小さな集落。同地区は稲含山(1370メートル)の山ろくにあるため、平坦な農地が非常に少なく「ちぃじがき」と呼ばれる石垣に守られた段々畑で農業を行ってきた。特にソバは標高700メートルの同地区の風土に根付き、独特の食文化を築いている

ソバの実の収穫作業
「特産のそばで町おこしを」と、遊休地を活用した「ちぃじがき蕎麦(そば)づくり入門」講座がスタートしたのは1996年。畑1アールのオーナーになり、種まきから収穫、そば打ちを体験する。
「蕎麦づくり入門」の初回は8月下旬に行う種まき。そばづくり名人に指導を受け、くわで畑にさくを切った後、小さな三角形の種をまく。
種まきから3週間ほど経った9月中旬、高さ2~30センチに伸びたソバの成長を喜びながら、風に負けないよう根元を土で補強する土寄せを行う。
段々畑が白い花で埋め尽くされる10月には、花祭りが行われる。ソバの生育を眺めながら、地元の皆さんが振る舞うイノシシ鍋を食べ楽しい時間を満喫できる。

白く可憐なソバの花
11月にソバの実を収穫。「蕎麦づくり入門」の中で一番きつい作業だ。かまを片手に畑に入り、順調に育ったソバを丁寧に刈り取る。刈り取ったソバの束は、「ガーコン」と呼ばれる足踏み脱穀機や、逆さにしたビールケースにたたきつけ脱穀し、たくさんの実を集める。
「蕎麦づくり入門」の最後の作業はそば打ち体験。地元主婦らそば打ち名人の指導で、そば粉をこね、薄く伸ばし、包丁で細く切って仕上げる。
自分で打ったそばを、その場でゆで上げ試食する。自分で育てたソバを自分で打ったのだから味は格別だ。お土産に貰ったそば粉で作った年越しそばも、なかなかの出来栄で、大満足の「蕎麦づくり入門」となった。
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