
風雪にじっと耐え、誕生の春を待ちます。
青森といえばみなさん、何を思い出すでしょう?りんご?ホタテ?最近有名になったカーリング?いろいろあるかもしれませんが、昔からあるイメージとして「吹雪の吹き荒れる冬」「深い雪に閉ざされた町並み」を思い起こす方も多いでしょうね。本州の北の果て、下北半島の北東の端、尻屋崎。津軽海峡から容赦なく吹き付ける寒風で氷点下10℃以下になることも珍しくない極寒の世界で、長い冬を過ごす「寒立馬(かんだちめ)」という馬たちがいます。吹雪にも立ったままじっと耐える姿は、まるで「修行」しているかのようです。そして、厳しい冬を乗り切れば、馬たちは新しい生命の誕生する出産シーズンを迎えるのです。

こんな地吹雪でも、車を運転し生活しているのです。
厳しい冬は人間にとっても同じこと。最近は暖冬の傾向が強いとはいえ、それでも真冬の厳しさは、暮らした人にしかわからない、相当なものです。氷点下の真冬日で凍えそうな日も、猛吹雪が容赦なく吹きつける日も、青森の人々は毎日雪かきをし、学校に通い、買い物に出かけ、車を運転して仕事をして、雪の降らない地域の人と同じように毎日生きているのです。青森の冬を生きてゆくこと、それはそれ自体が「修行」と言ってもよいくらいでしょう。
しかし、じっと耐えている青森人ばかりではありません。「ホンモノの冬」を味わってもらおうと「地吹雪体験ツアー」と名づけられたイベントが五所川原市金木町で20年以上前から開催されています。津軽の雪原をかんじきをはき、もんぺ姿で歩くこの名物ツアーは、参加者延べ1万を超える人気イベントです。本物の「地吹雪」に遭遇できるかどうかは天気次第ですが、津軽の雪の美しさを体感できて参加者は満足しているようです。
青森に生まれ住んだ私にとって、厳しい冬と雪はその真っ只中にいると大変ですが、過ぎれば何となく恋しくなる、そんな存在です。青森に生まれ、住んでいることは幸福なことなのだな、と最近思うようになりました。冬らしい冬を知らない人たちが何となく損をしているとさえ思えてきます。







