
枝つきのまま売られる丹波黒枝豆

十分な熟成期間を経ると、真っ黒で大粒な黒豆になる
ビールのおいしい季節がやってきました。ビールのアテといえば枝豆、おいしいですよね。私はビールがあろうとなかろうと、放っていたら一人でざる一杯食べてしまうほど好きなのですが、なかでもダントツでおいしいと思っているのが“黒豆”の枝豆。お正月のおせち料理でおなじみの黒豆ですが、若さやの時期に収穫した枝豆がなんとも美味なんです。
もちろんどの黒豆でもいいというわけではなく、ぜひ一度は食べていただきたいのが兵庫県中東部・丹波篠山周辺で作られている丹波黒の枝豆。高級品種と名高いこの黒豆は、煮豆にしても柔らかく、真っ黒で上品なつやのある仕上がり。まさに“キング・オブ・黒豆”といっても過言ではない逸品。この黒豆は畑でじっくりと熟成させる期間が必要で、その間に特徴でもある黒くまあるい形へと変化していくそう。枝豆は、贅沢なことに、この熟成途中の若さやの時期に収穫してしまいます。本来は正月のおせちに使う高級黒豆を、若い時期に摘み取って食べるという“美食”。おおぶりでやや黒味がかった粒をひとつ口に入れると、ふつうの枝豆にはない独特の香りとコクが広がります。皮も柔らかくて、とにかく豆の味が「濃い」。

収穫の時期を迎えた枝豆
この丹波黒の枝豆は、収穫時期によって味や風味が変化し、旬の時期のものを「本黒」といいます。本当のおいしさが味わえるのは、やはり本黒。夏頃から市場に出るのは「早生」で、満を持して本黒が登場するのは10月に入ってから。旬は短く、3週間ほどの期間しか収穫できないそうです。数年前からは、旬を知らせる「解禁日」が設けられました。つまり、この解禁日から3週間ほどの間に収穫されたものが、“ほんまもん”の丹波黒の枝豆ということ。十分な熟期を経た枝豆は、うま味・芳香感・もちもち感が絶妙。塩ゆでにしてそのままつまんで食べるのはもちろん、地元の人に聞いたところ、豆ごはんやかき揚げにしてもおいしいそうです。
ビールがおいしい季節には間に合いませんが、首を長~くして解禁日を待つのもまた一興。短い期間しか味わえないほんまもんのうまさ、いっぺん食べてみてください。







