
流し場に向かって道行く精霊流し。街中が爆竹の轟音と火薬の匂いに包まれる。
花火といえば、夏の夜空を彩る風物詩だ。
轟音とともに、真っ黒の夜のとばりに映し出される大輪の花は、夏の暑さを吹き飛ばす美しさだ。
長崎県内各地ではこの夏もさまざまな花火大会が開かれる。
ここではそのひとつひとつを紹介することはできないが、7月17日付で発行される長崎新聞の別刷りタブロイド版夏休みレジャー特集では、県内各地の花火スケジュールも掲載予定なので、お楽しみに。
さて、その花火をめぐって、他地区の人たちに驚かれる長崎市の風習をひとつ。
長崎市では、お盆の墓参りなどの際、先祖の墓の前で華々しく花火をするという風習がある。本来は、厳かなはずの墓地で、爆竹がバンバン鳴り響き、華やかな花火も墓前をにぎわす。中にはロケット花火(地元では、やびや、という)に火を放つ者も。古くからの中国とのつながりなどに関係しているのだろうが、詳しい歴史は知らない。いずれにせよ、それは他地区の出身者がびっくりする“ケンミンショー”的なならわしだ。
長崎市の有名な精霊流しも同様だ。さだまさしさん作詞作曲の「精霊流し」は、静かで哀切なメロディーが印象的な昭和の名曲だが、実際の精霊流しは、ムカっぱらが立つほどに爆竹を鳴り響かせ、うるさいかぎり。
もっとも、それは、悲しさをにぎかやさで覆い隠す、シャイな長崎人のハートのあらわれそのものといえるのかもしれないが。







