
スタート地点となる富士吉田市の北口本宮富士浅間神社の境内。歴史を感じさせるたたずまいだ
「東海自然歩道」と言っても知らない人も多いと思いますが「東京・明治の森 高尾国定公園」と「大阪・明治の森 箕面国定公園」を結ぶ実に約1700キロの半端じゃない距離がある遊歩道です。「遊歩道っていうには長すぎるんじゃないの?そんなの歩けっこないよ」という声が聞こえてきそうですが、ちょっとお待ちを。今年の夏は、皆さんにも比較的おなじみの観光地と思われる山梨県内分を歩いてみませんか、という提案です。

富嶽風穴の近くにたつ「東海自然歩道」の看板
今回のトレッキングは富士吉田市の北口本宮富士浅間神社を起点に西へ向かい、本栖湖の先の割石峠までを2日間かけて歩こうという提案です。いわゆる「富士北麓」と呼ばれる地域で、富士山や富士五湖、富士急ハイランドなどは訪れた経験がある人も多いと思いますが、東海自然歩道を歩いたことがある人は少ないのではないでしょうか。原稿の字数に制限がありますので早速スタートしましょう。
1日目は富士浅間神社で富士山の伝説と歴史を感じたら、富士河口湖町にある山梨県立富士ビジターセンターで富士山と周辺の自然を学びます。大田和からは足和田山登山道に入り山頂から尾根伝いに三湖台で山頂からの絶景を堪能し、紅葉台を下って来ます。ここら辺は「自殺の名所」というありがたくないレッテルを頂戴している青木ヶ原樹海のまっただ中。大蛇のように地面を這(は)う樹木の根の中を歩けば忘れられない経験になるでしょう。紅葉台入口にたどり着いたら1日目はこれで終了。河口湖周辺のホテル、旅館、民宿を、好みと懐具合に応じて選んでください。

青木ヶ原樹海の中を通る「東海自然歩道」。樹海は木々の根は複雑に絡み合い一種不気味な雰囲気を漂わせる
2日目は紅葉台入口をスタートし周辺に多い天然洞穴の探検から始めます。富士山の噴火で出来た溶岩洞穴は多数ありますが、今回は「富嶽風穴」と「鳴沢氷穴」という最もメジャーな2つを制覇しましょう。夏でも溶けない氷の柱に暑さを忘れたら、精進湖へ向かいます。この関東屈指のヘラブナのメッカでは太公望を横目に、国の天然記念物「精進の大杉」を見上げます。樹齢1200年、樹高45メートル、根回り13.6メートルの巨木は一見の価値ありです。次の目的地・本栖湖は「5000円札の富士」で知られ、国内2番目の水深をもつ透明度抜群の神秘的な湖。テレビのサスペンスドラマの舞台にもなりました。ここからは割石峠まで富士山を左手間近に見ながらのんびり歩きましょう。
以上、文章上では軽快に駆け抜けましたが、それぞれ6~7時間のコースです。普段はまず歩くことがない道を自分の足で歩けば必ず新しい発見があるはずです。見どころも限りなくあります。東海自然歩道踏破に山梨からチャレンジしてみませんか。踏破し終わった時には人生観が変わるかもしれませんよ。ちなみに全行程踏破には40~60日かかるそうですから、ある程度の覚悟は必要かも…。
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