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歴史と自然に親しむ「六十里越街道」

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六十里越街道のシンボル「千手ぶな」

ここで紹介する「夏山」は、山形県の中央部にある月山(がっさん)、羽黒山、湯殿山の出羽三山(でわさんざん)そのものではなく、湯殿山など三山への参拝、巡礼の道である「六十里越街道」そのものだ。

江戸時代以前から東国、関東を中心に人々の信仰の道、物心両面の交流ルートとして親しまれてきた山間の街道は今、県内外の人々が歴史や修験道、豊かな自然に親しむトレッキング道になっている。山形県の、日本海に面した庄内地方の城下町・鶴岡と、内陸の城下町、商都として発展してきた山形をつなぐ六十里越街道。その庄内側の旧朝日村(現鶴岡市)の街道を山形側へ歩いてみる。

緑のシャワーを歩く。花の木坂

スタートは、カヤぶきの多層民家が残る田麦俣の集落。集落の裏手の急な坂道を登る。アリさえもが、はうように越えたという例えから「蟻腰坂」と呼ばれる。弘法茶屋跡、馬が荷物を積み直した馬立、新緑、紅葉が美しく、新旧国道も一望できる花ノ木坂などを歩いていく。間もなく、独鈷(どっこ)清水、千手ブナ、ねじれ杉などがある。弘法大師が祈とうに使った独鈷で掘ったら清水がわき出た、杉の葉で手をふいたら葉がねじれてしまった、などの伝承がある。

さらに進むと、小掘抜(こほのぎ)、大掘抜(おほのぎ)がある。文字通り山を掘り抜いた道であり、歩くと木々の緑のシャワーを浴びたような爽快感に包まれる。近くの峠には明治初期、徳島から運ばれたという石に、「湯殿山」と刻んだ石碑もある。さらに行けば戊辰(ぼしん)戦争で官軍の攻撃に備え、庄内側が設けた砲台跡、などもある。湯殿山神社まで行けば近くで入浴し、山歩きの汗も洗い落とせる。

「あさひむら観光協会」では街道歩きに同行してくれるガイド・「山船頭さん」を紹介してくれる。問い合わせは同協会=0235-53-2111。
この季節、旧朝日村エリアでは道の駅や産直施設などで、おいしいそば、ヤマブドウのアイス、シャーベットや「沖田ナス」なども楽しめる。山船頭さんの案内で歴史や自然の空間に遊んでから味わえば、満足度はさらにアップする。


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