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6月“ヒヤッとスポット”紹介。

氷の神様を祀った神社

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献氷祭の氷柱(写真:奈良市観光協会)

古(いにしえ)の時代、年が改まった元日に、その年の豊凶を氷の厚さで占う「氷の様(ひのためし)」という宮中行事があったという。厚ければ豊作、薄ければ凶作。

それほど氷と人間との関係は深かった。しかし、冷蔵庫を開ければ氷が取り出せる現代にあっては、そのありがたさをついつい忘れてしまっているようだ。

奈良市春日野町にある氷室神社は、奈良時代から厳冬期の氷の状態の観察を通して稲の収穫を左右する夏の天候を占い、豊作を祈願する神事を行う場所として朝廷から重んじられた。

氷室神社スイレンと鹿(写真:奈良市観光協会)

社伝によれば、近くを流れる吉城川の上流地点に「平城氷室」、「春日の氷室」と呼ばれた氷を貯蔵する氷室を開設。平城遷都の和銅3年(710年)、ここに氷室の神を祀ったのが同社の起こりとされる。

当時、東大寺と興福寺の間に吉城川の水を引き入れてつくった氷池があった。冬の間にこの池に張った氷は順次氷室へ運び入れられた。こうして貯蔵された氷は、奈良朝の約70年間、毎年4月1日から9月30日まで平城宮に献上されていた。

その期間中の6月1日には、今の献氷祭の原型ともいえる勅祭が和銅4年(711年)から始められたが、平安遷都とともに消滅してしまった。

昭和36年に全国の製氷販売組合が献氷祭を復活。現在では全国各地から製氷・販売業者が参列し今年の業績成就を祈願する祭りとなり、業界繁忙期である6月を避けて毎年5月1日に行われている。

献氷祭では、海と川の代表的な魚であるタイとコイを中に閉じ込めた2つの氷柱が神前に供えられる。氷柱は高さ1メートル、60センチ角の大きさで、それぞれの氷の中に3匹ずつのタイ、コイが氷つけにされ、目にも涼しい。

暑い奈良の夏。一服の涼を取りに、氷の神様にお参りしてみてはいかがだろうか。
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