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4月在来線の旅こそ面白い!

日常が心地いい。フラワー長井線。

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背伸びしない日常を走るフラワー長井線

ジャズに魅せられ、演奏しようと頑張る女子高生たちの哀歓を描いた「スウイングガールズ」のロケが車内や沿線で行われるなど、映画・テレビドラマなどの舞台になっているのは確かだ。でも山形新幹線の赤湯駅から連絡しているフラワー長井線は、全線で30キロほどを1時間で行くごく普通の私鉄ローカル線だ。超有名な観光地・景勝の地がある訳でもなく、2年前の1日あたりの利用者は2000人。

ここに最近は、外国人、特に台湾からの観光客が訪ねてくるようになった。今のところ1500人もの台湾の人たちの予約が入っている。雪景色や、長井駅から荒砥駅へ向かう途中の、田園風景の先に葉山の山並みなどが屏風(びょうぶ)のようにそびえ立つ風景は異国の人でなくとも素敵だ。それに加えこの私鉄、山形鉄道の列車の魅力は「日常性」にある。
朝晩の通勤・通学時に2両、日中は1両でほぼ1時間に1本が走る。家並みのわきを時速30〜40キロでトコトコ行く車内で、お年寄りの方言と、高校生たちのおしゃべりが飛び交う。体験した会社の同僚Yの感想は「時間の流れが緩やかになり、車体のガタン、ゴトンという振動が心地よかった」。

樹齢1200年をこえる久保桜(エドヒガンサクラ)。長井市

なぜ、台湾からわざわざ観光に訪れるのだろう。それは、今年から大河ドラマ「天地人」が台湾で放送されており、ドラマの舞台のひとつ・米沢藩の旧領を走るフラワー長井線に関心が集まっているかららしい。来日し、車内でひと時を過ごした彼ら、彼女らは、日本のイナカが持つ落ち着いた風情や庶民のたたずまい、田園風景などに、背伸びしていない日常にふれて、やすらぐのかもしれない。

山形市にある東北芸術工科大の人たちが、何か心楽しませるもの、ロマンやファンタジーを醸し出す場を「詩的な場所」ととらえ、研究したことがあった。フラワー長井線も、映画・ドラマのファンや、沿線にある民話「鶴の恩返し」の伝説の地など、ファンタジーには事欠かない。これからの季節、お勧めなのが、沿線の桜の古木、名木、名園などを巡る旅だ。

樹齢500年とか、武将と姫の悲恋の物語のある古木など桜のドラマを長井線でたどる。「フラワー」という名前が付いているのがもっとも、と納得できる「桜回廊」がある。沿線の名所、名木や最寄り駅などの問い合わせは、フラワー長井線の山形鉄道=0238(88)2002。また山形市の山交バスは、山形新幹線の山形駅から桜のシーズンに専用バスを運行し、フラワー長井線の乗車や桜見物の1日ツアーを行う。期間は4月10日から29日までで、各日とも要予約、定員は80人。料金は大人3500円、子ども3000円。問い合わせ、申し込みは山交バス=023(647)5173。


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