
参宮線には2輛編成で各駅停車の普通列車と名古屋—鳥羽間を走る快速「みえ」があります。
その昔、お伊勢参りは「一生に一度は行きたい庶民の夢」であったようです。今回はそんな夢を身近にした「参宮鉄道」を紹介します。日本初の鉄道が開通してからわずか22年後、明治27年に三重県の津から宮川までの鉄道が開通しました。翌年には山田(現在・伊勢市)まで延長され、参宮鉄道という名の通り、当時は伊勢神宮への参拝客を大勢乗せ、つまり庶民の夢を乗せ参宮鉄道は走っていました。

二見興玉神社にある夫婦岩。江戸時代の浮世絵などにも描かれています。
そんな由緒ある参宮鉄道は、「多気」駅から「鳥羽」駅まで約30キロの単線です。沿線には伊勢、鳥羽や伊勢志摩国立公園などの観光地がありますが、現在では並行するように近畿日本鉄道ができ、参宮鉄道は港町を繋ぐ交通手段としての役割が主となっているようです。
そんな参宮鉄道の情緒を味わおうと「多気駅」から乗車し、いざ出発進行!列車は独特のリズムを刻みながら、軽快に進んでいきます。宮川を渡ると伊勢神宮のある伊勢市に入ります。「明日は伊勢神宮を参拝しようかな。」と思いつつ、「二見浦」駅、臨時駅「池の浦シーサイド」を越えると、美しい海と志摩半島の複雑なリアス式海岸が車窓に飛び込んできます。海岸線を快走していくと、海の中に造られた堤防の上を走る箇所もあります。入り江にはリゾートホテルも見え、海沿いの観光地らしい情景が広がります。
そして終点の「鳥羽」駅に到着、鳥羽水族館に立寄って、ジュゴンやラッコなど愛くるしい生き物たちに癒されました。

2万点もの海や川の生き物が飼育・展示されている。世界屈指の規模を誇る鳥羽水族館
鳥羽駅から引き返し、目的地の二見町の玄関口「二見浦」駅に到着。十数年前に訪れたことのある二見町は市町村合併で伊勢市に編入されていました。これも時代の流れでしょうか。二見浦には、海から突き出した夫婦岩があり、古来より参拝者が絶えない有名なスポットです。周辺には風格のある旅館も多く、良質な温泉も湧き出ている観光地です。夫婦岩に沈む夕日はとても美しくカレンダーなどにもよく使用されています。
三重県を代表する名景を見つめながら、たまにはこんなゆったりした旅もいいなと実感しました。
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