
湯本までは小田急の電車が乗り入れ
「遠距離通勤」の代名詞ともいえる小田急線。日々、たくさんの通勤客を乗せた電車が次々と都心に向かっていきます。2013年頃には下北沢駅付近の複々線化・地下化も完成予定で、ラッシュ時の増発・スピードアップが可能となり、より快適な通勤ができるようになります。
一方、小田急は、昭和25年以来箱根登山鉄道の箱根湯本駅まで乗り入れていて、「VSE」・「MSE」といった最新のロマンスカーから、現役ロマンスカーでは最古参(昭和55年運行開始)の「LSE」まで、様々な車両が行きかっています。「ロマンスカーに乗って箱根へ」というのも楽しいのですが、今回は、小田急・箱根登山を乗り継いで、「各駅停車の旅」を楽しんでみました。
まずは小田原で小田急の通勤型電車(レアものの箱根登山電車カラーでした)に乗り込んで箱根湯本へ。たくさんの観光客を乗せた電車は、のんびり単線の線路を進みます。進行方向左側には、ゆっくりと流れる早川と箱根の山々が見られ、観光客も車窓に釘付け。すでに心は「旅」気分です。
「箱根板橋」「風祭」と停車して次は「入生田」。こちらでちょっと途中下車。入生田から徒歩3分、国道一号を渡ると「生命の星地球科学館」。ここには「宇宙からの贈り物」の隕石や、様々な生物の化石などが展示してあります。館の中も落ち着いた雰囲気で、子どもと一緒に訪れると、地球について考える良い機会になりますよ!
続いて電車は小田急乗り入れ電車の終点箱根湯本に到着。ここで本日のメインである温泉と食事を、駅近くの「湯蔵」で満喫。個室で食事を取り、ゆったりのんびりしながら湯船に入っていると、非日常の世界にどっぷりと浸かってしまい戻りたくなくなるほど。ほかにも湯本には日帰りで楽しめる温泉がたくさんあります。

湯本からは急勾配も登れる「登山電車」が登場
ここから先は、本格的な「登山電車」が登場。特に目的を設けずに、「電車の旅」そのものを楽しみます。 湯本駅を出発するとすぐに80パーミルという急勾配を登り、一気に標高を稼ぎ塔ノ沢に到着。目の前に急勾配の長いトンネルが壁のように立ちはだかります。このトンネルを越えると、眼下に早川の流れが一望できる「出山鉄橋」。紅葉の時期には電車も速度を落として走るほどの絶景で、見る人の心を奪います。また、この鉄橋は明治時代に作られたもので、かつては東海道線の天竜川鉄橋の一部だったそうです。
さらに進むと、登山電車名物のスイッチバックが登場、進行方向を3度変えながら「天下の険」を登っていきます。有名な「富士屋ホテル」(おみやげカレーは絶品!)がある宮ノ下を出発すると、箱根駅伝開催時に電車を止めることで有名な踏み切りを通過し、小涌谷・彫刻の森に停車して終点の強羅に到着。わずかな時間ではありますが、電車に乗っていること自体が「非日常」と感じられるショートトリップを満喫しました。
箱根登山鉄道は、紅葉の時期はもちろん、6月のあじさいの時期も電車に乗り切れないほどの観光客が押し寄せます。都心からこれほど近くて情緒あふれる観光地もなかなかありません。みなさんも「のんびり・ゆったり」と各駅停車の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後に、登山鉄道の隠れた楽しみ方を一つ。残念ながら今回は乗車できませんでしたが、登山電車には、1編成だけ昔ながらの「釣掛式」の駆動方式を残している車両があります。釣掛式は、独特の低くこもったような、最新の電車にはない「サウンド」を発します。トンネルの中に響き渡る「ツリカケサウンド」を聞きながらノスタルジックな気分に浸る…、是非一度試してみて下さい!







