
加古川を渡る「見る見る速い」。電化開通記念で作られた、ラッピング電車の1号機
のどかな田園地帯を走る、JR加古川線。瀬戸内海に面した加古川市の中心部にある加古川駅から県内陸部の丹波市にある谷川駅までを結ぶ、ワンマン運転の超ローカル線です。移動手段としては自動車が大部分を占めるこの地域ですが、学生や、遠く神戸方面へ通勤する人、高齢者にとってはなくてはならない路線。車に乗れない地元住民の足となり生活を支える、重要な路線といえます。私も高校生の頃、友達と映画を観にいく時などに利用していました。当時はまだ非電化路線で、ディーゼル独特の鼓動が心地よかったものです。あぁ懐かしい。

ディーゼルだった頃の、懐かしの加古川線
そんな加古川線も、阪神・淡路大震災以後、災害時の迂回路としての機能を見直され2004年に全線電化。その時にデビューしたのが、美術家・横尾忠則さんデザインの「ラッピング電車」。実は、横尾さんは同線沿線の西脇市出身。最初に登場したのは、カラフルなモンタージュ風の背景にたくさんのリアルな眼が描かれた「見る見る速い」。それはそれは、かなりシュールな車両です。これを皮切りに年々デザインが増え、現在では4モデルが加古川に沿ってのんびりと走っています。車両の奇抜なデザインと牧歌的な風景のミスマッチがなんともエキセントリックで、これは鉄道ファンならずとも一見の価値アリ。ちなみに撮り鉄のみなさま、私のおすすめ撮影ポイントは市場駅~厄神駅間の加古川橋梁を走る瞬間ですっ。ただしこのラッピング電車、運行時間が日によって変わるらしいのでご注意を。

第3弾の「滝の音、電車の音」。3町が合併し「加東市」が誕生した2006年に運行を開始した
兵庫県最大の河川・加古川を渡り、加東市の田園地帯を抜け、西脇市街地の踏切の音を聞く…。地元住民の足であるローカル路線は、ちょっと乗るだけでも小旅行気分♪プランとしては、「ラッピング電車に乗って、西脇市にある岡之山美術館へ」なんていかがでしょう。横尾作品を多数所蔵している美術館で、加古川線「日本へそ公園駅」下車すぐ、日本へそ公園の敷地内にあります。ラッピング電車に出合えるかどうか、運試し気分で「横尾忠則づくしのアート旅!」をぜひどうぞ。
★余談ですが、「日本へそ公園」って知っていますか?読んで字のごとく、東経135度と北緯35度が交差する日本の“へそ”に位置しているんです。園内を川と鉄道路線が横切るちょっと珍しい公園なので、美術館を訪れた際に散策してみては。
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