
日本海に面した城下町・鶴岡の湯田川温泉にある梅林公園
早春の夕暮れ、薄暮の中に浮かび上がる梅の花にあなたは何を想うだろうか。北国山形では、冬の枯れ野から躍動の春を迎える、その転機を告げる象徴でもある。だからだろうか、さびしさと喜び、「死」と「再生」など、真逆なものを内に秘めた、不思議さや情熱まで感じさせるような気もする。知り合いに、梅の花のような彼、彼女はいませんか。
ということで(何が、ということでなのかはさておき)山形県の日本海に面した城下町・鶴岡の湯田川温泉にある梅林公園の「梅まつり」。鶴岡市出身で江戸時代などの武士や庶民の人生を描いた数々の傑作で知られる作家藤沢周平の故郷でもある鶴岡は近年、全国から藤沢文学のファンが訪れている。湯田川の地元の小学校は、藤沢が勤務した場でもあり記念の石碑もある。

白梅、紅梅合わせて300本が約2ヘクタールの公園内に咲き始める
羽田空港から庄内空港へ1時間ほど。例年、3月下旬から開花する梅林公園では白梅、紅梅合わせて300本が約2ヘクタールの公園内に咲き始める。4月の第一日曜日には温泉の女将さんたちによる野だて、地元に伝わる湯田川温泉神楽の披露なども予定されている。
藤沢作品で映画化された「たそがれ清兵衛」「蝉しぐれ」などの主人公、登場人物たちの在りようは、そう言えば梅の花的だったな、どこかに切なさも宿した喜怒哀楽があったな、などと思い出しつつ梅を眺める。湯田川温泉神楽は「たそがれ清兵衛」の祭りのシーンにも登場する。映画のロケ地もある。湯田川温
泉は藤沢が帰郷の折、庄内の四季の素朴でしかも奥深い山海の味覚
を楽しみ、同級生らと歓談した街でもある。梅の花、藤沢周平、そしてさまざまな歴史ロマンの庄内とくれば、これはもう4月のスケジュールに予約を
入れておくしかないだろう。

湯田川温泉神楽は「たそがれ清兵衛」の祭りのシーンにも登場する
(山形県出身でない私が言うのだから、うそではない。ちなみに大河ドラマで庄内を主要な舞台にしたものがないのは不思議なくらいだ。昨年は「天地人」で米沢が出たのに何と強欲、としかられそうだが、例えば西郷隆盛と庄内の結び付きの強さ、そして藤沢の「義民が駆ける」などは、面白すぎるほどです)
えー、かなり脱線しました。「梅まつり」のイベントの問い合せなどは湯田川温泉観光協会
=0235(35)4111。
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