
桜と菜の花、青空が染まず漂う「西都花まつり」
西都花まつり
毎年3月下旬から4月初旬、古墳群近く西都原御陵墓前広場で開催される。植えられているソメイヨシノは2000本。花の名所の追随を許さない、という大群落ではない。空一面を桃色に覆う大木がそびえているわけでもない。なのに、花見ファンその名を響かせているのは、黄金比のような色の配剤にある。
菜の花の黄と緑。ソメイヨシノの桜色と蒼穹の青。にじみあいながら溶けず、彩りは空間を侵食しながら孤高を保つ。その時空を何とか切り取ろうと、プロアマ問わずカメラマンが続々と訪れる。もちろん、それより多いのは花と宴に酔いたい左党なのは言うまでもないが…。
野球場2、3個分ぐらいの広さだろうか。約8haの菜の花畑に添うように桜のトンネルが続く。花は互いに主張し過ぎることもなく、相手を引き立てている。長年連れ添った仲のいい夫婦のようだ。花畑には女性や子供が似つかわしい。だが菜の花畑に入ると、病を得てしまった人も、不平不満をあまた抱えている人も相好を崩してしまう。花が天然のレフ(反射)板となって、顔色を輝かせてくれるからに違いない。
西都原古墳群
広大な台地に広がる西都原古墳群では、311基の古代古墳が確認されている。4-7世紀前半の築造とされ、未発掘の古墳も多い。台地がうねるように広がる古墳群は、そこに立つ人を1500年前の古代に立ち戻らせてしまう。シンボル的存在は九州随一の規模を誇る古代古墳「男狭穂(おさほ)塚」と「女狭穂(めさほ)塚」。二重の周溝を持つ男狭穂塚は、墳長が148mの帆立貝式古墳で円墳としては国内最大級。墳長176mの女狭穂塚は、盾型の周溝を有する九州最大規模の前方後円墳だ。女狭穂塚の南東には横穴式石室を持ち、全国的にも類のない周囲に土塁を巡らした「鬼の窟(いわや)古墳」もある。内部は公開されており、その歴史的な価値を直接感じることができる。
県立西都原考古博物館
西都原古墳群のほか、南九州の遺跡・遺構で発掘された遺物を年代、産地に分類して公開している。地上3階、地下1階、延床面積6600平方メートル。2004年開館。洞窟を進むような展示スロープ、精巧な横穴墓の模型など立体的な展示方法は巨大なジオラマに入ったかのようだ。入場無料というのもうれしい。
うなぎ料理
西都市のうなぎ料理は食通の間で有名。市中心部にある「本部うなぎ屋」の4代目・本部講一朗さんは「昔は店に専属のウナギ漁師がいた」と話す。近くを流れる一ツ瀬川には杉安峡という景勝地があり、天然のアユやコイ、ウナギなど川魚料理が有名だった。「入船」は1894年創業。多い日は1日3500食を提供するウナギ消費量が日本一の店舗。
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